多文化共生教育研究
多文化共生教育研究とは
近年、グローバル化の波は世界中に人の国際移動をもたらし、日本国内でもニューカマーと呼ばれる南米出身の日系人やフィリピン、インドシナなどから移り住む人々が増加しています。人々の移動に伴い外国にルーツを持つ子どもの数も増加し、過去10年の間に学齢期の子どもの数は1.5倍に達しました。
言語や教育システムの異なる国への移動は、教育の中断や認知発達への影響など子どもにとって大きなリスクを含んでいます。また、多文化化は日本の社会や教育にも影響を与えています。多文化共生教育研究は、言語文化的マイノリティのこどもを取り巻く教育環境の問題を軸に、多文化共生社会に関わる教育問題を複眼的に検証し、課題解決への糸口を模索する研究です。
学内共同研究(2009~2011)
研究 課題名 |
秦野市近隣の外国籍市民の実態に関する研究 -移民の子どもを取り巻く教育環境を中心に- |
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研究の 概要 |
上智短期大学サービスラーニングの日本語支援活動の対象である移民の子ども達を取り巻く教育環境と、秦野市の公立小学校における国際理解教育の実践と課題を、以下の研究課題に分けて研究しました。
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研究 メンバー |
上智大学短期大学部・英語科 | 宮崎幸江(研究代表) |
上智大学・外国語学部・英語学科 | 坂本光代 | |
上智大学短期大学部・英語科 | 杉村美佳 | |
カリフォルニア大学バークレー校 | 宮本百合子 |
関連する研究
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- Caltabiano, Yuriko Miyamoto. (2009). Children’s Negotiation of Multicultural Identities and Multiple Languages
in Japan: An Ethnographic Study of Cambodian, Peruvian, and Vietnamese Families. Unpublished dissertation submitted to University of California, Davis. - Cortes, Rosa Maria.(1999).The origin of volunteer home tutoring.Social and Pastoral Bulletin No.89. Jesuit Social Center Tokyo.
- Cortés Gómez Rosa María.(2006).The Rights of Minorities in Japan: The Japanese Government’s
Four Periodic Reports to the United Nations Human Rights Committee for the Covenant of Civil and Political Rights. Sophia Junior College Faculty Journal 26. - Sakamoto, Mitsuyo. (2006). Balancing L1 maintenance and L2 learning. In K. Kondo-Brown (ed.).Heritage Language Development (pp. 33-56). Amsterdam, The Netherlands: John Benjamins.