児童英語教育活動
イングリッシュフレンド
イングリッシュフレンドは、本学と秦野市と秦野市教育委員会との連携のもとに、小学校の正課の授業の一環として実施されてきたサービスラーニング活動です。2023年度と2024年度は、本学で正課カリキュラム「児童英語教育演習」を履修している学生たちによるプログラム“Sophia English Day Camp”を、本学秦野キャンパスに来校する小学校6年生児童を対象に実施しています。
広々とした大学キャンパスの多様な施設を活用し、小学生たちは多様な英語での言語活動に取り組みます。5種の活動はどれも、学習指導要領に沿った、5年生までの既習事項を踏まえた内容となっています。短期大学生たちは活動ごとにグループを組み、All in English!を合言葉に英語のみを使って指導に当たります。プログラム実施中の約二時間は基本的に全ての活動が英語で行われ、児童たちの緊張が伝わってきます。でも学生たちがジェスチャーや絵やスライドを活用しながら児童たちに活動のやり方を示すと「あ、そういうこと。」「わかった!」などの子どもたちのつぶやきが聞こえてきます。活動中も、学生たちは具体的な手順を一つずつ順を追って示したり、見本を見せたり、さまざまに工夫して児童が英語でも安心して取り組めるようサポートをします。さらに、学生たちはそれぞれの児童のペースに合わせて寄り添いながら声がけをし、一人一人に目配りを欠かしません。
連動する科目「児童教育演習」の授業において学生たちは秦野市の児童が学ぶ教科書を参照し、小学校でのこれまでの学びを踏まえて、活動の内容と児童への声がけの英語表現などを考え、練習します。活動の中の英語のやり取りを児童が「知ってる!」「聞いたことがある」と思えるように、そして「習った英語が使えた!」と感じてもらえるように、学生同士でやり取りのロールプレイをしっかり練習して臨みます。
各回の活動の後、児童は小学校に戻ってそれぞれのデバイスから「ふりかえり」を書いてくれます。学生たちはその振り返りのコメントからこのサービスラーニング活動の手ごたえを感じ、意義を実感しています。次の活動をより良いものにするため、毎回、児童の反応やコメントを参考にしながら活動内容やワークシートの改訂を進めていきます。
小学生たちとのイングリッシュフレンド活動は、毎回違う小学校の6年生児童がバスをチャーターして来校し、各学期に6回から8回実施しています。本学の学生たちは児童たちに学びの場と機会を提供する(service)中で、活動のための準備と実践、そして省察と改善のサイクルを繰り返すことで、多くを学び人間的にも成長していきます(learning)。本学の理念に則ったサービスラーニング活動は、本学秦野キャンパスがある秦野市の多大なる協力と支援のもと、独自の充実したプログラムとして展開されています。
【イングリッシュフレンド活動までの道のり】
本学学生による児童英語教育ボランティア活動は2002年度末に、地元の小学校からの要請によって始まりました。有志の学生たちと監督の教員の数名で行っていた活動は、やがて、課外活動団体BTC(Baby Teachers’ Circle)が主体となって、組織的に運営され、実施されるようになりました。一方で2005年に本学のカリキュラムのなかに児童英語教育コースが設置され、学生は児童英語教育について専門的に学ぶことができるようになりました。学生たちは学んだことをボランティア活動として実施し(Service)、そこからさらに学ぶ(Learning)場を得たことで、現在のサービスラーニング活動の理念と実践のサイクルが回り始めました。本学の英語科としての専門性を活かした教職員の指導とサポートのもと、学生たちの熱意あふれる英語レッスンは実施先の小学校の好評を得て、年ごとに実施希望校が少しずつ増えて行きました。
2007年に秦野市と本学が提携に関する協定を結んだことにより、組織的な児童英語教育ボランティア活動が秦野市教育委員会との連携のもとに行われるようになりました。2009年には秦野市教育委員会より「イングリッシュフレンド」と名づけられ、現在のように正課科目を履修している学生が専門的な裏づけを持って、組織的に英語の指導を実施するようになりました。
2009年以降2022年度までは、学生たちが秦野市内の小学校に赴き英語授業を行う活動を継続的かつ組織的に実施してきました。学生は学修の一環としてサービスラーニング活動に携わることで、英語専攻の強みを生かして地域に貢献してきました。学生たちは、チームを組んで各学級の授業を担当します。児童たちに楽しく充実した学びの時間を過ごしてもらえるよう、本学の関連科目で学んだことを活かし、指導案や台本を作り、教材やワークシートの作成と印刷などしっかり準備を進めます。英語のみでの授業をスムーズに自信を持って進められるようにグループや個人で練習を積みます。さらに、当日の朝の授業実施直前まで、グループでの役割分担の確認と入念なリハーサルを行い、児童が「わかった!」「伝わった!」と瞳を輝かせる瞬間がたくさんある授業を行ってきました。
2020年度と、2021年度はCOVID-19感染対策の一環として、小学校の教室とオンラインとの両方の場を活かして「生きた」言葉のやりとりを行う取り組みを進めてきました。学生たちが小学校に行くことが難しい状況の中、本学の教職員2名のみが小学校に赴き、数十名の学生たちは、オンライン遠隔会議システムで小学校と接続し、小学生たちとリアルタイムで英語のアクティビティや英語でのやり取りを行ってきました。2021年度には感染状況を勘案しながら、本学の教職員と共に学生1〜2名が小学校の教室に入り、各地からオンラインで小学校の教室と繋がる学生たちの指導をサポートするハイフレックスでの活動などの取り組みも実施しました。2020年度から市内の小学校、中学校でICT活用の取り組みが広がる中、バーチャルとリアルの両方の良さを取り込んだ先進的な英語教育活動は、児童たちに強い印象を残すとともに、先生方からも新しい英語教育の可能性を感じさせる取り組みとして、高い評価をいただきました。
イングリッシュフレンドは、サービスラーニング活動として、実施にあたって交通費や教材作成のための支援を秦野市から受けてきました。そのような公的な支援と、教職員、コーディネーターやチューターの丁寧な指導とサポートに下支えされ、学生は、忙しい学生生活の中でも時間をやりくりしながら充実してサービスラーニング活動に取り組んでいます。
イングリッシュフレンドの活動に関連する正課科目には、「児童英語教育概説」、「児童英語教育演習A・B」、「リテラシーと多文化教育」などがあります(2024年4月現在)。これらの充実した関連科目群を履修することで、学生は児童英語教育、小学校英語教育を概観し、言語習得理論や、英語教育の方法論、具体的な指導実践例などについて学ぶことができます。
骨太の学びに裏付けられ、さらにサービスラーニング活動に際しての充実したサポート体制のもと、学生たちは他では得難い貴重な小学校現場での実践の経験を積むことができます。
キッズイングリッシュフレンド・Kids‘ English Friend
Kids’ English Friend(キッズイングリッシュフレンド)は、秦野市の幼児(未就学児童)を対象にしたサービスラーニング活動の一つです。本学の正課授業とは連動せず、学生は昼休みや休日に活動します。活動場所はSLセンターと、秦野市の図書館や児童館です。楽しく親しみやすい英語の絵本や歌、ゲームなどをとおして、子どもたちに英語の楽しさを伝え、英語を身近なものとして感じてもらうことがこの活動のねらいです。
準備や練習のために、週に1回、昼休みに集まって活動を行います。ミーティングでは、ランチを食べながら、みんなで相談して、子どもたちの発達段階や興味にふさわしい本やアクティビティを選びます。SLチューターやコーディネーター、教員のアドバイスを得てレッスンプランを作成し、実施に向けて絵本の読み聞かせや、歌や手遊びなどを練習します。また、子どもたちに贈る手作りのプレゼントのカードなどもみんなで心を込めて作ります。
活動実施はだいたい月に1回くらいのペースです。毎回、数人の学生が秦野市の図書館や児童館に行き、集まってくれた子どもたちと保護者の方々と、楽しくレッスンをします。学生たちがしっかり準備と練習をすることで、子どもたちが一緒に生き生きと活動してくれたり、カードなど、みんなで作ったプレゼントを喜んでくれたりすると、学生たちはとてもやりがいを感じます。
児童英語教育ボランティアは2002年度末に地元の小学校からの要請によって始まり、その後、課外活動団体BTC(Baby Teachers’ Circle)が主体となっていました。一方で2005年に本学のカリキュラムのなかに児童英語教育コースが設置され、学生は児童英語教育について専門的に学ぶようになりました。
2016年4月から、課外活動団体BTCが行っていた地域での英語アクティビィティは、活動をより充実させるために「キッズイングリッシュフレンド」として、サービスラーニング部門が統括する活動となりました。
はだのモーピクに掲載していただいている、本学作成の動画のリンク
ぽけっと21シアター
「えいごであそぼう~クリスマスプレゼントはなにかな?」
Kids’ English Friend is a non-credit earning service-learning activity. This activity takes place in partnership with Hadano City libraries and children’s centers. The goal of Kids’ English Friend is to support the English-language learning of young children in Hadano City in a casual way. We do this by preparing easy and fun English books, songs, and games and then presenting these to children in libraries and children’s centers in Hadano.
Our preparation takes place once a week at lunchtime. During our lunchtime meetings, we enjoy eating lunch while choosing appropriate books and activities for children. We put together lesson plans with help of SL staff and a teacher and we practice reading, singing, and doing our lesson plan.
Approximately once a month several students go to the Hadano City library or to a children’s center and perform the lesson plan.
Originally begun in 2002 as an extracurricular student circle called the Baby Teachers Circle in response to a request from a local elementary school, in April 2016 it became part of Service-Learning activities and changed its name to Kids’ English Friend. In January 2019, Kids’ English Friend received a letter of commendation from the Hadano City Board of Education.