上智大学短期大学部 Sophia University Junior College Division

学びに関する情報

キリスト教人間学(小林ゼミ)

教員氏名 小林 宏子(こばやし ひろこ)
職名 准教授
専門分野

聖書思想、キリスト教人間学、青年期の自己形成

ゼミのテーマ

聖書の人間像、キリスト教の「愛」と「救い」、イエスに出会った女性達、生き方の選択と成長

このゼミでは、どのようなことを、どのように学べるか

 本学の必修教養科目である「キリスト教人間学」を「超越的地平とのかかわり」に焦点を当てて深めます。特に、マザーテレサの活動と言葉が現代社会の人々の心に響くのはなぜなのか、マザーテレサと姉妹たちの活動を支えるキリスト教の「神の愛」とはどのようなものなのか、また、「救い」を求める人間の現実と、その人間とかかわり続けようとする「神」とはどのような存在なのかについて考えます。プレゼミナールではマザーテレサの愛の奉仕の原動力となっている信仰や祈りの力について学び、ゼミナールIでは聖書の中に登場する女性たちの姿を通して、社会的弱者とされる人々が求める救いや希望について考察します。ゼミナールⅡでは、個人研究、論文作成、発表を通して、学生各自が自分と向き合い、選択を通して成長する人格形成の一過程を実践的に学んでいきます。

このゼミで学んだことは将来どのように役立てることができるか

 神道や仏教が一般的な日本ではキリスト教徒は人口の1%に過ぎない少数派ですが、ひとたび世界に目を向ければその総人口は約22億人、実に全体の3割を数えます。2019年はローマ教皇の訪日が実現し、その存在が急に身近に感じられるようになりました。様々な価値観を持つ人々と出会うグローバル社会で生きるためには、未知の世界に対する興味と対話の精神が不可欠です。自分が属する社会や文化に閉じこもらず、多様性は豊かさの表れとして肯定してゆく姿勢を養うためにも、本学においてキリスト教文化やカトリック思想を学ぶことは、異文化に触れる経験として役立つことと考えます。変化の激しい世界への適応が求められる中で見失いがちな「人間らしさ」への問いや、自分の生き方、人生の意味について、クラスメイトとの間で対話しながら考察を深めることが、人格形成の一助となる学びになると考えています。

学生へのメッセージ

 もし、世界中の人々が皆、マザーテレサのような愛をもって「Person for Others, with Others」を生きる人ばかりであれば、世界はどれ程、平和でしょう。しかし、現実の私たちは皆、本質的にエゴイストの部分があり、愛し愛される関係に憧れながらも、同時に争いや苦しみの原因を作ってしまう矛盾を抱えた存在です。更に、自然災害という「この世の不条理」をたびたび経験させられる日本の中で育つことで、若者に、独立心や冒険心を励ますよりも、共同体の存続のために個人の欲求を抑え、警戒心をもって行動するよう促してきてしまったのかもしれません。この傾向は、コロナ禍にあって自粛の効果を発揮したかもしれませんが、多様な個性を尊重し、それぞれの人格の確立と自主性の発達を目指す西洋のキリスト教ヒューマニズム教育との間には、一種のジレンマを生む要素と言えます。各自の「ありのままを受け入れる」本当の智慧(Sophia)が求められます。一緒に、考えていきましょう。

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