教育課程編成・実施の方針
上智大学短期大学部英語科の教育課程編成・実施の方針
英語科の卒業認定・学位授与の方針で示された能力を学生が身につけることを可能とするため、教養科目、英語科目、基礎・専門科目を効果的に編成します。知性の段階的発展を可能とし複数専門科目群を収める幅広い知を提供する教育課程を構成することで、キリスト教ヒューマニズムの精神と人間理解を礎とする教養を身につけ、自己発信力に重点を置いた実用的かつ学術的英語力を修得し、国際的な視野と地球市民的意識から得られる専門的知識と協働・共生の力を発展させ、国際社会・多文化共生社会に貢献する人材を育成します。
獲得すべき学修成果五つの視点
英語科では、卒業認定・学位授与の五つの方針で定められた能力を獲得するために、「キリスト教ヒューマニズム理解力」 「教養力」 「英語力」 「専門力」 「地域の国際化・多文化共生力」の五つの修得すべき学修成果を尺度に精査した授業やプログラムを配置します。
科目群別課程編成方針
1.【教養科目群】
本学での学びの基礎を築く教養必修科目として「人間学Ⅰ」を配置します。同科目ではキリスト教ヒューマニズムに基づく人間観を理解し、他者とのかかわりの中での自己形成を目指します。そこでの学びを受け、主に人文・社会科学各分野における学問体系に関するバランスのよい知識・理解を得ることを目的に教養選択科目を配置します。
2.【英語科目群】
2-1.【必修英語科目】
第1~第4セメスター(それぞれ準備期・発展期・応用期・完成期)にわたる履修のため、各学期に「必修英語I~IV」を配置し、学修内容としてそれぞれ他者とともに生きる、異文化との遭遇、日本における社会問題、日本と世界というテーマを発展的に学び、自己発信力に重点を置きながら英語の4技能を修得します。ペアワークや発表等の能動的学びが中心的活動を成します。それらを通し、「他者のために、他者とともに」という本学の教育の精神を持つ責任ある地球市民となるために必要な知識と理解を深め、複眼的・批判的・論理的な思考力を伸ばします。同時に他者の考えを尊重しながら自分の考えを効果的に表現する力をつけます。課題やindependent learningを通し自律した学修者となるための技能を身につけます。必修英語科目での学びは、学内英語発表イベントである、Sophia Junior English Festaの準備学修を含みます。また各学年の学生が適切な習熟度別のクラスで学べるようクラスを編成します。
2-2.【TOEIC対策講座科目】
第1セメスター(準備期)及び第2セメスター(発展期)までの履修のため、各学期に「TOEIC対策講座 I・ II」 を配置し、グローバル化する社会で職業人としてキャリア形成を行うために必要な英語力の基礎を身につけることを目指します。課題やe-learningを通し自律した学修者となるための技能を身につけます。また各学生が適切な習熟度別のクラスで学べるようクラスを編成します。
2-3.【英語スキルズ科目】
第1セメスター(準備期)、第2セメスター(発展期)及び第3セメスター(応用期)の履修のため各学期に「英語スキルズ科目」を配置し、学生が様々な英語技能やアカデミックなトピックを扱う科目を選択し、それらの技能の発展、トピックに関する知識・理解を深めることができるように、科目を編成します。また習熟度別のクラスを配置します。
※2023年度はSophia Junior English Festaを実施しません。
3.【基礎科目群・専門科目群と専門領域】
本学において専門性と結びついた知識の修得を可能とするため、基礎科目群・専門科目群内に以下の4つの専門領域を設けます。
3-1.【異文化理解】
3-2.【英米文学研究】
3-3.【言語研究】
3-4.【言語教育】
4.【基礎科目群】
本学が定める4領域のテーマを学ぶにあたり、導入科目となりうる科目を基礎科目群として配置します。主に第2セメスター(発展期)から第3セメスター(応用期)での履修を念頭に置いています。
5.【専門科目群内の選択科目】
本学が定める「異文化理解」「英米文学研究」「言語研究」「言語教育」の4領域において効果的に科目を配置します。各領域は、多様な分野において知識・理解の点で独自の教育内容を持つ科目によって構成されます。基礎科目群の概論科目での学びを受け、主に第3セメスター(応用期)から第4セメスター(完成期)に、専門的知識や技能を修得することができるように、専門科目を配置します。また科目群の一部で反転授業を行い、同時にアクティブラーニングの手法を用いて、能動的な学びや課題解決と結びついた学びを実施します。
6.【専門科目群内のゼミナール科目】
本学では、段階を踏んだゼミナール科目を4セメスター(2年間)にわたって設けています。
6-1.【基礎ゼミナール】 第1セメスター(準備期)に履修し、大学で学ぶにあたって必要なアカデミックスキル修得の導入教育を行い、リサーチの基礎・論文作成・口頭発表の方法を学ぶとともに、キャリア設計の第一歩を踏み出すために必要な知識を身につける演習を行います。
6-2.【プレ・ゼミナール】 第2セメスター(発展期)に履修し、特定の研究分野において自身の研究テーマを設定し、それに基づく演習を通して、能動的な学びを行います。このような学修により、基礎的研究手法を用い、論理的・批判的思考力、論文作成力、口頭発表力、協働により問題を解決する力を身につけます。
6-3.【ゼミナールⅠ、ゼミナールⅡ】 第3セメスター(応用期)と第4セメスター(完成期)にそれぞれ履修し、自身の設定したテーマをより深く研究していく過程で、高度な研究手法の知識を得ます、自律的思考に基づく独自の問題提起をし、討論、口頭発表、研究論文作成力の素養を統合的に身につけることができます。協働により問題を解決する力もより発展させます。「ゼミナールⅡ」では、学修成果の集大成としてゼミナール論文の作成を行います。
6-4. 【アカデミックスキルズ・フォローアップ講座】 第2セメスター(発展期)に、本学で学修成果を効果的に得るために必要とされる基礎的な知識・技能を身につけることを目的とした補習科目を設置します。同科目を、第1セメスター(準備期)履修の必修科目「基礎ゼミナール」を不合格になった学生が履修することを強く推奨します。また第1セメスターに履修したその他の科目(語学及び実習の体育科目は除く)を不合格となった学生にも、履修を推奨します。同補習科目の成績評価基準を満たした者には1単位が付与されます。
7.【基礎科目・専門科目群内のサービスラーニング関連科目】
キリスト教ヒューマニズムに基づく奉仕の精神と地球市民的意識を持って、多文化共生の実現に向けて実践することを目的にし、基礎科目・専門科目群内にサービスラーニング関連科目として、児童英語教育や日本語教育等の科目を配置します。正課カリキュラムでの学びを受け、その成果を地域社会で実践し、地域社会で学んだ内容を授業へとフィードバックします。またサービスラーニング関連科目には、アクティブラーニングの手法を用いて、能動的な学びや地域社会での課題解決を行う科目もあります。
8.【インデペンデント・スタディ】
指導教員の下、学生が独自に設定したテーマについて、主体的に調査・考察した成果をまとめ、発表を行う自律的総合学修です。本プログラムはゼミナールや専門科目等で学んだテーマをさらに拡大・展開させたり、新たな知の領域に挑戦したいという学生の積極的な学修・研究意欲に応えるために設置されています。
9.【短期留学プログラム】
本学では、短期留学プログラムを提供しています。本プログラムの参加者は、事前に「留学準備」科目を修め、派遣先の学校で所定の条件を満たすことにより3単位(「留学準備」1単位、「海外短期語学講座」2単位)を取得することができます。「留学準備」科目では、本プログラムに参加する目的や、その経験をどのように活かしていくかを明確にしていくことで、学修効果を向上させることができます。また、各種ガイダンスやロールプレイ等により、留学先の文化や海外生活で必要となる知識、危機管理方法等を学ぶことができます。さらに、参加者は、学期中にTOEIC-IPを受験することで、留学による語学力向上の成果を客観指標で計ることができます。
10.【上智大学科目等履修生制度の導入による単位認定制度】
上智大学で開講されている科目を本学の学生が履修することができる制度です。この制度では、セメスターごとに6単位、最大12単位を上限に履修することができ、取得した上智大学の単位は本学の単位として認定することができます。この制度を活用することにより、本学で開講されていない領域や、多様な専門的学問領域をより深く探求することができます。また難易度別のナンバリングに基づき、本学開講科目と上智大学開講科目との間で整合性を取り、単位認定を行います。
11.【キャリア形成支援】
本学は、キャリア教育の一環として、学生の多様な進路希望に対応するために、キャリアパスや就職、編入学に関する科目やガイダンス、専門カウンセラーによる個別指導等の支援プログラムを設けています。これらのプログラムに主体的に参加することにより、社会人基礎力を成長させ、編入学や就職等における実践的な知識を得ることができます。
学修成果の評価
本学は卒業認定・学位授与の方針が示す能力及び資質の修得に向けた学生の学修成果獲得状況を把握し、教育課程の改善を行うため、以下の内容及び方法により評価を実施します。
- キリスト教ヒューマニズム理解力及び教養力の学修成果の評価は、教養必修科目「人間学 I」を通して得た学びの成果を基とし、所定のアセスメントポリシーに則り、ルーブリックを用いて実施します。
- 英語力の学修成果の評価は、在学中に定期的に受験する外部試験TOEICのスコア、成績評価・GPA、卒業時アンケートを基とし、所定のアセスメントポリシーに則り、実施します。
- 専門力の学修成果の評価は、学びの集大成であるゼミナール論文の成果を基とし、所定のアセスメントポリシーに則り、ルーブリックを用いて実施します。
- 地域の国際化・多文化共生力の学修成果の評価は、サービスラーニング・ポートフォリオ及び卒業時アンケートを基とし、所定のアセスメントポリシーに則り、実施します。
総合的な学修成果の評価として、以下の評価物を含むアセスメントを適宜実施します。
- 科目別及び全科目についての通算成績評価の分布(A-F)と推移(個人、グループ、学年別等)
- 科目別及び全科目についてのGPAとその推移(個人、グループ、学年別等)
- 学習意欲及び学修行動に関する調査結果
- 入試種別ごとの学修成果及び進路データ(エンロール・マネージメント)
- 就職・進学率
- 卒業生進路先アンケート
- 卒業生アンケート