英米文学(飯田ゼミ)※2021年度休講
教員氏名 | 飯田 純也(いいだ じゅんや) |
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職名 | 准教授 |
専門分野 | 英米文学、英米思想史 |
ゼミのテーマ
世界文学、思想史、小説、演劇、詩
このゼミでは、どのようなことを、どのように学べるか
このゼミナールは人類の思想史的理解を目指し研究を行う。まず文学を物語として捉え直す。小説、演劇、詩ばかりではなく、聖書や映画やドラマを物語として考える。次に、人間のゲーム性をテーマとして扱い、物語を事実、目的、視点のレベルで分析を行い、人間のゲーム性とは何か考える。最終的に何を研究テーマとするかは、学生の自主性に委ねる。
前半は、グループ研究を通して、物語が扱う倫理的問題を多角的視野から研究する。多角的視野とは他の人文科学の視野のことである。後半は、個人研究に移る。学生は他の授業で学んだ理論や知識を活かしながら、各自で選んだ特定の倫理問題を、文学作品に即して分析を行い、自分の理解と提案を論文にまとめる。
このゼミで学んだことは将来どのように役立てることができるか
字義通りのリテラシーだけではなく、歴史や社会を批判的に理解する文学的リテラシーを身につけることができる。事実から真理に迫るリサーチの基本を身につけることができる。
- リサーチの方法を身につけることができる
- 協調性、積極性、自己管理能力を身につけることができる
- 問題発見能力、問題解決能力を身につけることができる
- 問題意識と歴史意識を持って、人間のゲーム性を批判的に見ることができる
- 人文科学、社会科学を学ぶ動機を得ることができる
- 自らの洞察、分析、推理、仮説を根拠付けて説明することができる
学生へのメッセージ
現在、世界は共生社会の方向に進んでいる。共生社会は多様性を肯定せずに成立することはない。人間と文化の問題を議論するとき、文化的、社会的、政治的、思想的差異をさらに大きな視野の中で検討する習慣を身につけたい。
社会科学は時として世界を単純に描く。特に政治学は世界を両極化したものとして提示することが多い。人間は世界が善と悪に両極化していると、問題の解決を暴力に求める傾向が強い。大国は軍事力の強化に努め、小国はテロリズムを支援する。暴力は人間の性格を変え、多様化を否定する偏狭で、党派的人格を作り出す。実際は、世界は単純ではない。常識とされる世界像を疑い、いわば視覚的理解を離れ、人文科学的視点から、人間、社会、文化の深部に耳を傾けると、次の世界が見えてくると思う。